【ジョジョ】花京院典明になぜ惹かれるか
花京院典明というにキャラついて。
第三部においては、いや、ジョジョシリーズの中でも死亡キャラにして各部の主人公を凌ぐほどの人気があるキャラクターであり実際私もダントツ好きです。
観てる最中は普通だったんですが、三部を見終えてからすごく好きになりました。
シリーズの中でも登場人物の色が濃く圧倒的人気を誇る三部ですが、花京院典明の魅力に焦点をあてていきたいと思います!(推しについて語りたいだけ)
・三部の旅メンバー唯一のストッパー
三部の面々の中ではストッパー的役割が彼だけだと断言します。アブドゥルも常識人枠ですが基本的にジョセフに倣っていくというスタンスだったのといかんせん離脱期間が長かったので…。
ホルホース・Jガイル戦でも花京院だけがポルナレフを本気で怒り、諭し、Jガイルとの対峙に興奮気味の彼に対し冷静にスタンドを見極めていました。態度や行動で示す承太郎とは対照的に、言葉を巧みに使って物事を分析する特徴があります。
そして私が何よりも印象的だったのが、ホイールオブフォーチュン編のあるワンシーン。車のスタンドとの対決です。詳しく該当シーンとそれまでの流れを説明します。
まず一行はある崖道を走行中、前を走っていた遅い車を追い越します。それをきっかけにその車から次は煽られ、抜かれたら煽り返しという両者大人げない攻防が始まってしまいます。ここでも花京院がイラつくポルナレフをなだめる描写が目立ちます。最終的に別のトラックと正面衝突しそうになり車の人間がスタンド使いの追っ手かと疑い始める承太郎たち。ちなみにトラックは間一髪でスタープラチナが殴り飛ばし無事でしたが、ここでも花京院だけがトラックの心配をしています(笑)
道の先のカフェ(?)に例の車を見つけ、ジョセフはあの車の持ち主はどいつだとオーナーに詰め寄ります。分からないと答えられると、ジョセフと承太郎は店にいる客全員を片っ端からぶちのめそうと言い、実践します(スタンド使いなら反撃してくるはずだから)。そこでの花京院の一言。
“やめろ承太郎!ジョースターさんも!やりすぎです!”
このシーンに、花京院典明の人柄すべてが表れていたと思います。ジョジョはモブが犠牲になるシーンがかなり多いですが登場人物がそれを憂う描写はあまりありません。もちろんゼロではないですが。一般人に武力行使を使ってはいけないという考え、そのために仲間を本気で止める姿がとても心に残りました。更に感情的に相手を否定するような様子をあまり彼は見せないので余計にグッときました。一瞬のシーンですし、ほとんどの人はスルーするようなところですが私はこれがきっかけで花京院が好きになりました。花京院のストッパー的性格が特に強調されていたのはこの話だと思います。
役割的にストッパーという言葉を使っていますが、本当に心の優しい人なのでしょうね
・みんな大好きギャップ
花京院は彼の性格的なギャップもとても印象的な人物です。ギャップというのはちょい悪系がピアノめちゃくちゃうまいとか、眼鏡系男子が運動神経抜群とか、女子なら大好きなやつです(笑)
まず忘れそうになりますが彼は最初敵として登場しました。荒い言葉遣いに、女性保健医を操って人質にとるクズっぷり。ジョジョは基本的に場面が切り替わると他の世界線はなかったことのようになるのでここに言及するのは野暮かもしれませんが、おそらく彼が保健医にしたことは彼の人生で最大の罪でしょう。
「悪とは敗者のこと。正義とは勝者のこと。生き残った者のことだ。過程は問題じゃあない。」
という悪役にふさわしい名言も残しています。
しかし肉の芽を取り除きディオの洗脳から解かれた後は、いい意味で男性らしくない丁寧な言葉遣い、律儀な態度の好青年となります。
更に好青年の印象が定着したと思ったら”レロレロ”(好物のサクランボを食べる際、噛まずにレロレロレロレロと声に出しながら舌で転がす)というおかしい一面やハンドシグナルの”パンツー丸見え”でポルナレフとじゃれあうという可愛らしい一面も見えるようになったりと、人間性としてはたくさんの引き出しを持っています。そんなたくさんの面を持つ彼ですが、戦いになると絶対に決めてくれるという安心感があります。おそらくですが初手のタワーオブグレーやデスサーティン編では花京院がいなければ全滅していた可能性もあり一気にファンを増やしたのではないでしょうか。真面目で、ちょっとおかしくて、年相応の幼さもあって、戦いになると冷静ってもう非の打ち所がないですよね。笑
普通に高校生してたらめちゃくちゃモテたんじゃないかな?笑
・皆との言葉なき友情
これも結構大きいのではないでしょうか?
花京院は一部でいうスピードワゴンのような、二部でいうシーザーのような立ち位置だと思います。いわゆる主人公の相棒ポジションですね。
承太郎とは対照的な人物として描かれています。分析は得意だけどプッツンしやすい承太郎に対し頭脳派でめったに感情的になることはない花京院、近距離パワー型のスタープラチナに対して遠距離操作型のハイエロファントグリーンというスタンドの特性もそうです。
正反対の二人ですが観ていると本当に信頼しあっていることがわかります。特に意外にも承太郎から花京院に対する矢印が大きい気がします。
その様子が色濃く表れていたのはスティーリー・ダン(ラバーズ)戦ですかね…
”きさまは俺たちのことをよく知らねえ。花京院のやつのことを知らねえ。”
余裕をぶっこくダンに対して承太郎が放つセリフです。この話では花京院と承太郎は冒頭以外は別行動で顔を合わせておらず会話も交わせません。実際この後ひそかに地面を這っていたハイエロファントグリーンの攻撃によりダンを追い詰めますが、なんの相談もしていないにも関わらず承太郎が花京院の思惑を読み信用しきっていた様子が痺れます…!
更には何と言ってもシリーズの後半、イギーVSペットショップ戦後のシーン。
ンドゥール戦の負傷で途中退場を余儀なくされていた花京院が復帰、みんなに合流するときのことです。ジョセフやポルナレフが花京院に飛びついて喜ぶ中、一歩引いて見守る承太郎。花京院がそんな承太郎に歩み寄り…
”承太郎。” ”…うん” (原作では”……”のみ)
この一言だけを交わし、握手をします。胸が熱くなりました。ここのシーンだけ好きすぎて何往復もしました。本当に信頼しあっていてるんだなというのが、誰も語らずともわかるシーンです。荒木先生すごいですね。男の友情っていいなと思いました(笑)
反して、ポルナレフとは心からのお友達という感じがします。前述のとおりハイプリエステス戦でパンツー丸見えとじゃれあっていたり、アブドゥル死亡(仮)の際には思い切り殴ったり。承太郎には絶対しないような態度でポルナレフには接します。ポルナレフの子供じみた行動にあきれて皮肉を言ったりもしてます。普段おとなしい花京院なのでこういった面が見えるととても可愛らしいです。きっと花京院は少年期のモノローグを見る限り両親にさえも”イヤ!”とか言えない子だったと思うので、ポルナレフのような存在もとても貴重で新鮮だったでしょうね…
そして題字に言葉なき友情と書きましたが、彼らはお互いに決して信頼してるよとか友達だよとか、言葉には出さないんですよね。そこがまた熱く美しく魅力を引き出していると思います。
・悲しくもかっこよすぎる散り際
”後悔はない…今までの旅に…これから起こる事柄に…僕は後悔はない”
みなさんご存じのとおり花京院典明は三部のラスボス戦で死亡しています。しかしその際の功績が半端ないです。ここまで述べてきた数々の魅力があるにも関わらず彼の活躍シーンを語るときは死亡シーンを挙げる人が多いですし、皮肉にもここで花京院が好きになったという方もかなり多いと思います。同情票も多少あるかもしれませんが…
そう、謎に包まれていたディオのスタンド能力を暴きます。正直その展開のために殺されたような気がして今でも納得はしていません。笑
しかし、ただディオの能力に負けて死んでいくのではなく最後の力を振り絞って致命傷を負いながらも頭をフル回転させディオのスタンドの答えにたどり着きメッセージを残し、仲間に託して散っていくというのがかっこよすぎますね。最期まで仲間思いで自分の信念を貫く素敵な人でした。
”アブドゥルとイギーのことを考えると、背中に鳥肌が立つのはなぜだろう。”
ディオと対峙する直前のモノローグです。孤独だった少年時代に思いをはせ、死んでいった仲間を憂うところがなんとも彼らしいです。
花京院を好きな人なら生きていてほしかったと誰もが思っていると思いますが、彼のお陰でディオを倒せたのかもと思うと複雑ですよね…4部で仗助と絡んでいる花京院とか観てみたかったです。
以上です!!
やっぱりまとめてみると花京院はザ・モテ男の要素が強いですね。
ジョジョは人気と生存率が比例してないところも面白いですが、やはり花京院は生きててほしかったなあ。。
花京院の生存ルートの番外編みたいなの作ってほしいです(笑)岸部露伴は動かない的な感じで。
花京院好きな方はぜひ公式が出しているアンソロジーソングス・グッバイノスタルジアを聴いてみてください!
花京院は本当に大好きなキャラクターなので、また彼のことについて何か書けたらいいなと思っています!!あと、密かに二部のジョセフもジョジョで初めての推しキャラだったのでなにかしら触れたいです(笑)
お読みいただきありがとうございます
#3
【映画感想】劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン
先日観てきました。
劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
少し前にバイト仲間から勧められて休日にアニメ1クールと外伝を一気観、見事にハマり映画も観に行くという急ピッチでした。
作画に関してはさすが京アニ以外の言葉が見当たりません。
涙が絨毯にたれるシーンがあったのですが、そこの描写が一番すごいと思いました。多分マニアックなほうだと思いますが笑
以下ネタバレありです。
作品全体としては、本編未視聴の方でもギリギリ着いていける構成ではないでしょうか。かくいう私も原作の小説は未読です。。
アニメでは腐るほど観たヴァイオレットとギルベルトの初対面、”心から愛してる”のシーンもあります。ホッジンズとの関係性もなんとなく分かると思います。アイリスがヴァイオレットに対して”同僚”、”ライバル”などと言っている描写もあったので郵便社内の関係も大体察しがつきます。ただアイリスやエリカ、カトレアさんとの関係はただの仕事仲間では済ませられないのでより感情移入したければやはり原作かアニメを観てから観るに越したことはありません。それから、私が忘れているだけでしたら大変恐縮ですがブローチを買ってもらうくだりも細かい描写はなかったかと思います。結構重要なシーンですよね。
まず一番心打たれたシーン。泣けたとか感動したとかではなく、シーンそのものに鳥肌が立ったところがあります。
それはかたくなにヴァイオレットの前に姿を見せようとしないギルベルトに対して、ホッジンズが
大バカやろーーーーーーーーーーー!!!!
と叫ぶところ。そのシーンをもう一度拝むためだけに映画観たいと思えるほどです。
正直ジョジョ好きな私は、ホッジンズのことをディオが善人でワロタ程度にしか思っていませんでした。もう声がまんま子安さんなので。笑
でもこのシーンは凄かったです。ヴァイオレットのため、ギルベルトのため、自分自身のため、その言葉しか出てこない。心の底からの魂の叫びでした。
ちなみにその前のシーンからの流れがかなり好きなんです。
扉越しに、ギルベルトから会えないと言われて傷つきその場から走り去るヴァイオレット。傷ついた理由がギルベルトに拒絶されたからではなく、自分の存在がギルベルトを苦しませていると理解してしまうからなんですよね。
人の心が分からず、名前さえ知らない自分の感情だけで突っ走っていた過去の彼女だったら、嫌です!少佐に会うまでここを離れません!とか言って一晩中突っ立っていてもおかしくなかったと思います。
しかし自動手記人形サービスの仕事を通じて様々な心を知り成長できた。だからこそギルベルトが自分に会いたくない気持ち、そこに込められたものを悟ってしまう。皮肉にも成長し気持ちが分かるようになったことで自分が傷ついてしまう、という辛くも美しいシーンでした。
そんなヴァイオレットの姿を見て、ホッジンズから親友への心からの叫び”大馬鹿野郎”…
胸打たれます。
あとは、アニメ本編ではギルベルトが絡むと郵便社を飛び出して全てを投げ出していたヴァイオレットでしたが映画ではギルベルト絡みのことでも常に仕事のことが頭にある感じでしたね。ユリスの知らせがあったときにすぐに切り替えていたシーンを観たときはヴァイオレットも変わったなあ(しみじみ)という気持ちでした。
そして内容とは関係ないですがベネディクトがめちゃくちゃすきになりました。笑
あまり推しという概念がない作品でした。でもユリスの件で車を飛ばしてるところ、もうベネディクトがかっこよすぎて驚きます。
もともと綺麗な顔立ちなのにあまりイケメンキャラとしての扱いは受けていなかったのが不思議ではありましたが…
はい。余談でした(笑)
クライマックスはただただ美しく、切なかったです。
アニメ本編ではどちらかというと敵キャラだった兄貴が、なんて人間らしくなったんだ(泣)
自分もギルベルトに会えて嬉しいはずなのに、伝えたいことがたくさんあるはずなのにヴァイオレットを追え、と。家のことは自分が継ぐから、お前は自由になれ、と。きっとそれがディートフリートにとってギルベルトへの最大の贖罪なのですね。
自由になれというのは、ヴァイオレットとギルベルトが引き裂かれる直前にギルベルトがヴァイオレットに投げかけた言葉でもありました。
かつて自分が愛する人へ放った言葉だからこそ、ギルベルトも兄の気持ちを受け取れたのではないでしょうか。
舞台挨拶談ですが、ヴァイオレットの語りで読まれるヴァイオレットからギルベルトへの手紙は、最後の一文だけ読まれていないそうです。
ヴァイオレットの愛してるはギルベルトだけが聞くことができるのでしょう。
そして海辺で再会し、ギルベルトはヴァイオレットの手紙の返事”愛してる”を伝えます。ヴァイオレットは愛してると言うことも抱きしめ返すこともできません。でも手紙の中では言えたんです。実際まだ口に出すことはできないけど、手紙で自分の気持ちを伝えられるようになったという最後が、とてもこの作品らしくていいなと思いました。
その後C.H郵便社のみんなで祭りを回る様子が映されます。ホッジンズがおそらくヴァイオレットに話しかけようとして振り向くが誰もいないという描写が切なかったです。
ホッジンズもヴァイオレットにかなりの愛を注いでましたからね…
ヴァイオレットは孤児ですがホッジンズとは親子のような関係を描きたかったのかなと思います。親はずっと子供がかわいくて心配だけど、子は知らないうちに成長し、いつか親の元を離れていく。まさにヴァイオレットとホッジンズですよね。
ホッジンズがあんなに頑張ってるのに地味に報われなくて、幸せになってほしいと思いました笑
ほんとに良い作品に出会えました。上映時間2時間半ですが、全く長く感じなかったです。
非常にきれいな終わり方だったので続編などは望みませんが、少しだけ後日談は観たいなと思いました。
入場特典でそれっぽい小説は頂けましたが、映像で観てみたいです。
気が向いたらまたこの作品のことに触れたいと思います。
お読みいただきありがとうございます
#2