【映画感想】劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン
先日観てきました。
劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
少し前にバイト仲間から勧められて休日にアニメ1クールと外伝を一気観、見事にハマり映画も観に行くという急ピッチでした。
作画に関してはさすが京アニ以外の言葉が見当たりません。
涙が絨毯にたれるシーンがあったのですが、そこの描写が一番すごいと思いました。多分マニアックなほうだと思いますが笑
以下ネタバレありです。
作品全体としては、本編未視聴の方でもギリギリ着いていける構成ではないでしょうか。かくいう私も原作の小説は未読です。。
アニメでは腐るほど観たヴァイオレットとギルベルトの初対面、”心から愛してる”のシーンもあります。ホッジンズとの関係性もなんとなく分かると思います。アイリスがヴァイオレットに対して”同僚”、”ライバル”などと言っている描写もあったので郵便社内の関係も大体察しがつきます。ただアイリスやエリカ、カトレアさんとの関係はただの仕事仲間では済ませられないのでより感情移入したければやはり原作かアニメを観てから観るに越したことはありません。それから、私が忘れているだけでしたら大変恐縮ですがブローチを買ってもらうくだりも細かい描写はなかったかと思います。結構重要なシーンですよね。
まず一番心打たれたシーン。泣けたとか感動したとかではなく、シーンそのものに鳥肌が立ったところがあります。
それはかたくなにヴァイオレットの前に姿を見せようとしないギルベルトに対して、ホッジンズが
大バカやろーーーーーーーーーーー!!!!
と叫ぶところ。そのシーンをもう一度拝むためだけに映画観たいと思えるほどです。
正直ジョジョ好きな私は、ホッジンズのことをディオが善人でワロタ程度にしか思っていませんでした。もう声がまんま子安さんなので。笑
でもこのシーンは凄かったです。ヴァイオレットのため、ギルベルトのため、自分自身のため、その言葉しか出てこない。心の底からの魂の叫びでした。
ちなみにその前のシーンからの流れがかなり好きなんです。
扉越しに、ギルベルトから会えないと言われて傷つきその場から走り去るヴァイオレット。傷ついた理由がギルベルトに拒絶されたからではなく、自分の存在がギルベルトを苦しませていると理解してしまうからなんですよね。
人の心が分からず、名前さえ知らない自分の感情だけで突っ走っていた過去の彼女だったら、嫌です!少佐に会うまでここを離れません!とか言って一晩中突っ立っていてもおかしくなかったと思います。
しかし自動手記人形サービスの仕事を通じて様々な心を知り成長できた。だからこそギルベルトが自分に会いたくない気持ち、そこに込められたものを悟ってしまう。皮肉にも成長し気持ちが分かるようになったことで自分が傷ついてしまう、という辛くも美しいシーンでした。
そんなヴァイオレットの姿を見て、ホッジンズから親友への心からの叫び”大馬鹿野郎”…
胸打たれます。
あとは、アニメ本編ではギルベルトが絡むと郵便社を飛び出して全てを投げ出していたヴァイオレットでしたが映画ではギルベルト絡みのことでも常に仕事のことが頭にある感じでしたね。ユリスの知らせがあったときにすぐに切り替えていたシーンを観たときはヴァイオレットも変わったなあ(しみじみ)という気持ちでした。
そして内容とは関係ないですがベネディクトがめちゃくちゃすきになりました。笑
あまり推しという概念がない作品でした。でもユリスの件で車を飛ばしてるところ、もうベネディクトがかっこよすぎて驚きます。
もともと綺麗な顔立ちなのにあまりイケメンキャラとしての扱いは受けていなかったのが不思議ではありましたが…
はい。余談でした(笑)
クライマックスはただただ美しく、切なかったです。
アニメ本編ではどちらかというと敵キャラだった兄貴が、なんて人間らしくなったんだ(泣)
自分もギルベルトに会えて嬉しいはずなのに、伝えたいことがたくさんあるはずなのにヴァイオレットを追え、と。家のことは自分が継ぐから、お前は自由になれ、と。きっとそれがディートフリートにとってギルベルトへの最大の贖罪なのですね。
自由になれというのは、ヴァイオレットとギルベルトが引き裂かれる直前にギルベルトがヴァイオレットに投げかけた言葉でもありました。
かつて自分が愛する人へ放った言葉だからこそ、ギルベルトも兄の気持ちを受け取れたのではないでしょうか。
舞台挨拶談ですが、ヴァイオレットの語りで読まれるヴァイオレットからギルベルトへの手紙は、最後の一文だけ読まれていないそうです。
ヴァイオレットの愛してるはギルベルトだけが聞くことができるのでしょう。
そして海辺で再会し、ギルベルトはヴァイオレットの手紙の返事”愛してる”を伝えます。ヴァイオレットは愛してると言うことも抱きしめ返すこともできません。でも手紙の中では言えたんです。実際まだ口に出すことはできないけど、手紙で自分の気持ちを伝えられるようになったという最後が、とてもこの作品らしくていいなと思いました。
その後C.H郵便社のみんなで祭りを回る様子が映されます。ホッジンズがおそらくヴァイオレットに話しかけようとして振り向くが誰もいないという描写が切なかったです。
ホッジンズもヴァイオレットにかなりの愛を注いでましたからね…
ヴァイオレットは孤児ですがホッジンズとは親子のような関係を描きたかったのかなと思います。親はずっと子供がかわいくて心配だけど、子は知らないうちに成長し、いつか親の元を離れていく。まさにヴァイオレットとホッジンズですよね。
ホッジンズがあんなに頑張ってるのに地味に報われなくて、幸せになってほしいと思いました笑
ほんとに良い作品に出会えました。上映時間2時間半ですが、全く長く感じなかったです。
非常にきれいな終わり方だったので続編などは望みませんが、少しだけ後日談は観たいなと思いました。
入場特典でそれっぽい小説は頂けましたが、映像で観てみたいです。
気が向いたらまたこの作品のことに触れたいと思います。
お読みいただきありがとうございます
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